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不妊治療記録⑬ セカンドオピニオン 着床前診断(PGD)の決断

 2021/05/16
不妊治療

不妊に悩む方の精神的・身体的ストレスはとても大きく、また周囲には相談し難いものです。
女性専門の相談室【CuoRelease】では、不妊にまつわるご相談を多くお受けしております。
ご相談をお受けする私自身も不妊治療経験者であり、お力になれることが必ずございます。
不安なお気持ちをお話しされるだけでも心が楽になり、前向きになれます。
ホームページにお問合せフォームがございますので、そちらからお気軽にお問合せください。

セカンドオピニオン

2回目の採卵では、残念ながら受精できる卵子は摂れませんでした。
私はもう卵子をつくることも出来ないんだと絶望もしましたが、心の中にはそんなはずない、まだあきらめたくないとの気持ちが強く残っていました。
「別な先生にも相談したい」との気持ちがあり、不妊治療の技術では大変有名な某クリニックに最後の望みをかけることにしました。
最初のクリニックでは先生方や看護師さん達がとても親身に、丁寧に対応してくださっていたので申し訳なく心苦しい気持ちもありましたが、自分と家族、そしてまだ会っていない我が子の人生を想うと何を一番に優先すべきかを冷静に考え、セカンドオピニオンを受ける決意をしました。
次のクリニックでは、院長先生との面談、内診とホルモン検査などを受け、私に最も適している治療法を院長先生が検討してくださいました。
ちなみに2番目のクリニックは、自宅から高速を使っても車で片道2時間近くかかる場所にあり、採卵日を決めるための卵胞計測時は1日~2日ごとに通わなければならず、覚悟はしていたものの大変でした。
しかし私は近い方で、日本全国から患者さんが通ってこられており、遠方の方は飛行機に乗って受診に来ているとのこと。
こんなにも不妊に苦しんでいる方がたくさんおられ、皆さん人生をかけて治療に取り組んでいるんだ、と思うと新たな生命の尊さが痛いほど身にしみ、涙が出てきました。

3回目の採卵

採卵日が決まり、排卵を促す最後の注射を打ち当日に備えます。
当日は早朝6時に夫の運転する車でクリニックに向かいました。
採卵に向け、採血や点滴など看護師さん達がてきぱきと準備を進めてくれます。
私と同じ日に採卵をする患者さんはざっと見ただけでも20名ほどおられ、その人数の多さに驚きました。
私の順番がきて、歩いて手術室に向かいます。静脈麻酔が点滴のチューブに入れられ、いよいよ3回目の採卵が開始されました。
3回目の採卵で採れた卵子は19個でした。そのうち数個は発育不全の卵子、数個は十分に育っている卵子です。
受精胚になったかの確認は、9日後にメールで知らせてくれる、とのことでした。
どうか、胚盤胞まで育ってくれる受精卵がありますように。
祈りながら長く短い9日間を過ごします。

着床前診断

妊娠10週目以前に起こる流産の原因には染色体異常の確立が高いと言われており、女性は40歳を過ぎると卵子の7割~8割が染色体異常であるとの統計があります。
染色体異常の受精卵は目視では判別することが出来ません。
胚盤胞をPGD(着床前診断)で遺伝子や染色体に異常がないかを調べる技法が近年日本でも認可されたそうです。
PGDで異常が明らかな胚は移植せず、流産や死産の可能性を低下させることが出来るとのこと。
しかし、PGDは「命の選別」との意見が多数あり、特に日本では認可されるまで長い歳月を要したとのことです。
3回目の採卵では、2個の受精卵が胚盤胞まで育ってくれましたが、院長先生からは、私の2回の流産歴も加味されPGDをするよう強くすすめられました。
様々な想いが葛藤し迷いましたが、私はPGDを受けることに決めました。

終わりに

ここまで私自身の不妊治療の実態を含め、不妊で苦しむご夫婦の実情を少しでもお伝えできればと思いブログに綴ってきました。
私の不妊治療はいつゴールを迎えるのか分かりません。
出産できた時かもしれませんし、私自身が「十分頑張った!」と心から納得し治療を終える時かもしれません。
誰にも言えない不妊の悩み。
日常生活が不妊治療中心になっているご夫婦もいらっしゃることでしょう。
不妊は身体的・経済的なことだけでなく、人生そのものを左右しかねない重要な問題です。
不妊治療記録のブログはこの章で一旦終わりますが、新たな情報や皆さんと共有したいことなどあれば都度で記載していこうと思います。
子供を望む全てのカップルに幸せが訪れますように。

WRITER

廣田 左希子

廣田 左希子SAKIKO HIROTA

  • 日本実務能力開発協会 認定コーチ
    資格第COY-Ⅰ-221081号
  • 上級心理カウンセラー資格
コーチ紹介