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不妊治療記録⑧ 妊娠・着床することの奇跡 深い悲しみの自然流産

 2021/04/26
不妊治療

不妊に悩む方の精神的・身体的ストレスはとても大きく、また周囲には相談し難いものです。
女性専門の相談室【CuoRelease】では、不妊にまつわるご相談を多くお受けしております。
ご相談をお受けする私自身も不妊治療経験者であり、お力になれることが必ずございます。
不安なお気持ちをお話しされるだけでも心が楽になり、前向きになれます。
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妊娠することの奇跡

始めての採卵を終え、卵巣過剰刺激症候群発症のため受精胚は凍結保存することになりました。
卵巣過剰刺激症候群は月経が起こると症状は治まりますが、月経が始まるまでは減塩の食事を意識する必要があります。
身体に水分が溜まりやすい状態になっているため、塩分の摂取が多いと腹水などが溜まり危険だからです。
その他は、普段と変わらない生活をしながら約1ヶ月後に胚移植できる体調になるよう意識しながら過ごします。
ちなみに、初めての採卵では28個ものたくさんの卵子が摂れました。
そして、受精胚になれたものは体外受精・顕微授精合わせて8個。
その中で状態の良い2個の受精胚は初期胚(受精後1日~3日後までの胚)の状態で凍結し、発育が止まってしまいそうな6個の受精胚は胚盤胞(受精後5日~6日後まで育てた胚)まで発育させてから凍結することになりました。
しかし、6個の受精胚は胚盤胞まで発育することが出来きず、残ることができた受精胚は2個という結果になりました。
28個もの卵子が採卵できたのに、最終的には受精胚2個との現実に、正直ショックを受けましたが、妊娠することがどれだけ奇跡的なことなのか、そしてこの世に生まれることが出来た生命はどれほど尊い存在であるかを改めて感じました。
特に、自然妊娠も一度も出来ず、複数回チャレンジした人工授精でも一度も妊娠出来なかった私にとって、夫との間に出来た受精卵に感動し、不妊治療を始めてから初めて【嬉しさ】を感じたことを覚えています。

いよいよ胚移植

卵巣過剰刺激症候群の症状も治まり、いよいよ初めての胚移植の日となりました。
採卵の時は痛みが伴うため静脈麻酔で眠った状態で行いますが、胚移植は特に痛みもなく短時間で終わるため麻酔などはなくそのまま手術室で処置をします。
胚移植後は特に飲食してはいけない物もなく、ジムで運動をしたり自転車に乗ったりと普段通りの生活ができます。
そして、約2週間後にクリニックで血液検査による妊娠判定があります。
そこで妊娠判定が出れば、妊娠4週目と診断され赤ちゃんが無事に育っていくよう次の治療が始まるのです。
待っている2週間はとても長く、特に体調の変化もないため果たして妊娠出来ているのかどうなのか、気になって仕方がありませんでした。

悲しい現実

胚移植2週間が経ち、血液検査による妊娠判定の日となりました。
血液を採取して判定が出るまで1時間ほどかかるのですが、私はその間怖くてこわくてドキドキしながらクリニックの待合室で待っていました。
もちろん、妊娠出来ていることを強く望んでいますが、心のどこかで「妊娠できていないだろう」という気持ちがあったことも事実です。
長く取り組んでいる不妊治療、そして何度チャレンジしても妊娠できない自分と数年間付き合い、【私は妊娠できないんだ】という偏った信念が出来てしまっていたのです。
そして、待ちに待った判定は「陰性」でした。
しかし、妊娠すると上昇するHCGの値はゼロではありませんでした。
妊娠4週目でHCGが100以上値があれば陽性との判断の中、かなり低いHCG値が出ていました。
HCGは、妊娠していなければ値が上昇することはありません。ゼロなはずです。
先生の診断では、着床したものの一度は妊娠したが早い段階で流れてしまった【自然流産】だろう、とのことでした。

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 WRITER
  • 廣田 左希子
  • 廣田 左希子SAKIKO HIROTA
  • 日本実務能力開発協会 認定コーチ
    資格第COY-Ⅰ-221081号
  • 上級心理カウンセラー資格
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