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妊治療記録⑨ 一歩ずつ前進する不妊治療 喜びと悲しみの経験

 2021/04/30
不妊治療

不妊に悩む方の精神的・身体的ストレスはとても大きく、また周囲には相談し難いものです。
女性専門の相談室【CuoRelease】では、不妊にまつわるご相談を多くお受けしております。
ご相談をお受けする私自身も不妊治療経験者であり、お力になれることが必ずございます。
不安なお気持ちをお話しされるだけでも心が楽になり、前向きになれます。
ホームページにお問合せフォームがございますので、そちらからお気軽にお問合せください。

一歩ずつの前進

初めての胚移植は残念ながら、妊娠判定前に自然流産してしまいました。
流産してしまったことは胸が締め付けられる悲しみでしたが、先生から「今回は流産してしまったけど、今回のことで妊娠は出来るということが明確になったから、一歩前進ですよ」と言われました。
そう、顕微授精までしてからようやく、夫との間に受精卵が生まれ妊娠出来るということがはっきりとしたのです。
ここまでとても長い道のりでしたし、時間もお金もたくさん使い、悲しみ・悔しさ・みじめさなどもたくさん経験しました。
不妊治療は原因が分からないだけに効果がある治療に出逢うまでかなりの時間を要します。
また、顕微授精では受精するが体外受精では受精しない、と言った風に試してみなければ分からない処置もたくさんあります。
採卵は、最短でも1ヶ月に1度しかできず、何か母体に症状があると2ヶ月~3ヶ月の期間をかけて行います。
複数の受精胚が出来れば凍結保存できますが、複数の受精胚がない場合はまた排卵誘発剤の注射を打ち、卵子を育てるところからのスタートとなります。
その間にも母体はどんどん歳をとりますし、ホルモン剤や誘発剤の投与で、身体にも負担がかかります。
現在の不妊治療の技術は素晴らしく、驚くような治療がたくさんあり頼もしく感じる一方で、道筋・ゴール・結果が見えない不妊治療と言う戦いに、辛さを感じることも事実です。

私の小さな受精胚が教えてくれたこと

1回目の採卵では、受精胚は2個でき2個とも凍結保存をしていました。
そのうちの1個は移植後自然流産をしてしまい、2個目の受精胚をすぐに移植するかしないか、先生から問われます。
私は迷わず次周期に移植することを伝えました。
私が妊娠出来ることは、1個目の受精胚が自らの命をもって私に教えてくれました。
「自分は育つことが出来なかったけど、ちゃんと妊娠するからね、頑張ってね、お母さん」
と小さな小さな受精胚が私に伝えてくれたことが、私を今までにないほど前向きにさせてくれました。
2回目の胚移植日が待ち遠しく、当日に体調を壊してしまうことのないよう気を付けながら日々を過ごしました。

喜びの日

2回目の胚移植も無事に終わり、再び2週間後の妊娠判定を待つ期間に入りました。
実はこの時私は、妊娠判定日まで待ち切れず市販の妊娠検査薬でフライングをしてしまいました。
2回試みたのですが、2回とも陰性。
「市販の妊娠検査薬を使うにはまだ早期だから・・・」と自分に言い聞かせながらも、心配で不安でたまらない気持ちを何とか落ち着かせていました。
そして、待ちに待ったクリニックでの血液による妊娠判定は何と「妊娠反応あり」。
HCG値が十分に上昇しており、先生から「おめでとう、妊娠していますよ」の言葉をかけてもらえました。
私は嬉しくてうれしくて、これからの治療方法を説明してくれている先生の言葉も耳に入らないくらい興奮していました。
私には早くも自分の中に、赤ちゃんを抱く風景がイメージできていました。

不妊治療記録⑩ 初めて妊娠、稽留流産 喜びの日から絶望の淵へ を読む

WRITER

廣田 左希子

廣田 左希子SAKIKO HIROTA

  • 日本実務能力開発協会 認定コーチ
    資格第COY-Ⅰ-221081号
  • 上級心理カウンセラー資格
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