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心の中の思いと頭の中の考えは一致していますか?心の中と頭の中のすれ違いの要因とは

 2024/08/01
コーチング

皆さんは、日々発生する様々な事柄に関して、どのような考えで判断を下し、そしてどんな行動を取っていますか?

人間は何かしらの事柄に直面するとまず「心で感じ」、そして「頭で考えて」判断を下します。

この時「心で感じたこと」と「頭で考えて下した判断」がぴったりと一致していれば良いのですが、この2つは一致していないことが多々あります。

心の中の思いと頭で考えることが一致していないと感じるのには、実は明確な理由があります。人間は感情と理性を持ち合わせている生き物なので、「本当はこうしたい」と思っても「こうすべきだ」と言う自分を制する理性が発生し、本当は望んでいない行動を取ったり判断を下すことが多々あるのです。

今回は、そんな心の中と頭の中のすれ違いに関するお話しです。

心をモヤモヤさせている4つの要因

感情と理性の対立

心の中の思いは、感情や直感に基づくことが多くあります。感情は瞬間的で強い反応を引き起こしますが、実は必ずしも論理的であるとは限りません。人間は感情を持っている生き物なので、怒りや悲しみ、喜びなどを感じた時は感情的になることが通常だからです。

一方で、頭で考えることは、理性的な分析や判断を伴うことが多く、感情を抑え込もうとすることもあります。このため、感情的な欲望や衝動と、理性的な判断が対立することがあります。

感情と理性、どちらが正しいかと言われると冷静な判断ができているのは理性の方ですが、高ぶる感情と冷静な理性が背中合わせになり、心と頭が一致していない感覚に陥るのです。

過去の経験と学習

人は過去の経験や学習に基づいて考える傾向がありますが、これが心の中の思いと矛盾することがあります。

例えば、過去の経験から「こうする方が良い」という考えがある一方で、感情的には「でも、やりたくない」と感じる場合。

これが更に「こうすべきだ」「こうやらねばならない」など強制的な思考が含まれると、感情的には余計に拒否反応を感じ、強いストレスを感じることになってしまいます。

社会的・文化的影響

社会や文化が人に与える影響も、心の中の思いと頭で考えることの違いを引き起こす要因となります。

社会的な期待や文化的な価値観に従うべきだと頭で考えつつも、心の中ではそれに従いたくないと感じることがあります。

社会的期待とは、周囲の人々や社会全体が、個人に対して抱く行動や態度に関する期待です。これには、家族、友人、職場、地域社会など、さまざまなレベルでの期待が含まれます。

例えば、ひとつの考え方として特定の年齢に達した人は結婚することが当然とされているとします。そのため、頭では「自分も結婚するべきだ」と考える一方で、心の中では結婚に対して不安や疑念を感じることがあります。

社会の期待が強い場合、それに従うことが「正しい」と考えることになりますが、個人の感情や欲望がそれに一致しない場合、心の中で葛藤が生じます。

文化的価値観は、その社会や文化が重要と考える 信念や倫理観、行動などを指します。

これらの価値観は、長い歴史や伝統に基づいて形成され、個人の行動や意思決定に大きな影響を与えることが多々あります。

例えば、家族代々お医者さん家系の家族がいたとします。その家族に生まれた自分は、頭の中では「代々医者家系だから自分も医者になるべきだ」と言う考えがあります。もちろん、家族もそのように期待しているでしょう。

しかし、心の中では「本当は医者ではなく別な夢がある、本当はそちらを叶えたい」と思っていると、思考と感情が一致していないため、心の中に葛藤が生じます。

無意識の影響

無意識の中には、抑え込まれた感情や欲望が多く存在しています。

抑え込まれた感情や欲望は、いわゆる「潜在意識」の中に含まれているため、残念ながら意識的に認識されることはほとんどありません。

意識できない感情であることから、心の中にモヤモヤが生じ不安や違和感を感じることになるのです。

感情と思考にギャップを感じる一番の要因は、この「無意識=潜在意識」の影響であると言えます。

時には自分の感情を優先させてみて

さて、心の中の思いと頭で考えることが一致しない状況が生まれる要因のお話しはいかがでしたでしょうか?

人間の記憶力はとても複雑で、過去の経験から得た感情や知識、特にポジティブな経験よりネガティブな経験を強く記憶しています。

そのため、「これはこうするべきだ」「これはすべきではない」と言う自分を制する思考が発動することに加え、特に日本人が多く持ち合わせている、周囲からの自分に下される評価や周囲とのバランスを取ろうとする文化が本心を隠し、理論的な思考の方を優先させる状況になっているのです。

自分への制限を少し緩めてみることも

自分の心にある感情と頭にある思考が一致していないな、と感じる時は周囲からどう思われるか、その部分を一旦脇に置き、「こうするべき」という自分への制限を少し緩めてみてください。

「自分はどうしたいのか」
「自分の信念は何なのか」


を自分自身に問いかけ、自分の思いに従ってみることも時には大切なことなのかも知れません。
 WRITER
  • 廣田 左希子
  • 廣田 左希子SAKIKO HIROTA
  • 日本実務能力開発協会 認定コーチ
    資格第COY-Ⅰ-221081号
  • 上級心理カウンセラー資格
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