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不妊治療記録② 年齢と不妊の関係 夫婦共にかかる身体的ストレス

 2021/04/02
不妊治療

前回、不妊治療の苦しみについて書いたのですが、今回も引き続き私自身の治療の道のりなども含め皆さんとお時間を共有できたらと思います。
不妊治療記録のブログは、実際に私自身が経験したことも出来る限り細かく書いていきますが、「不妊」に対する課題、夫婦の絆、妊娠することの奇跡、命の重みなどもしっかりと掘り下げていこうと思っています。
全ての人間は、当たり前に生まれてきたのではなく、いくつもの奇跡が重なって生まれてきたことを切に感じ、ご自身や周囲の方たちへの尊厳、存在の尊さを改めて感じていただければ幸いに思います。

厳しい現実

年齢ってそんなに影響するの・・・?

私は2018年1月、37歳で結婚し、その数か月後から不妊治療に取り組み始めたのですが、そもそも一般的に公表されている不妊とは、「1年間普通に夫婦生活を送っているのに妊娠しない状態」と言われています。
しかし、私は結婚3か月後には不妊を疑い初め、クリニックへの通院を開始しました。
その頃は「自分の年齢が高いから妊娠しにくいはずだ」「少しでも若いうちに妊娠しないと間に合わなくなる」との想いが強く、焦る気持ちから通院を開始したのですが、その後自分の想像の何倍も速いスピードで卵子は老化していくことを痛いほど思い知らされる日がくるのです。

閉経の恐怖

さて、不妊専門のクリニックへの通院を開始した私ですが、「年齢が高齢だから妊娠しにくい」と自分で意識していたものの、「でもそうは言っても40代で出産している方もたくさんいるし・・・」とどこか甘く考えていました。
その考えが、先生からの厳しい言葉で打ち砕かれました。
本格的な治療開始前の先生との面談で、「40歳目前だから、少しでも早く妊娠に向けて治療しないと間に合わない」と言われ、極め付けは「のんびりしていると、閉経してしまいますよ。閉経してしまったら、どんなに望んでももう妊娠できないから」と言われてしまったのです。
まさか「閉経」とまで言われると思っていなかった私は、強いショックを受けつつも治療に対する決意が固まっていくのを感じました。

人工授精

まず、人工授精からチャレンジすることになりました。
私は、インターネット上で公開されている不妊に関する情報も数多く目を通し、人工授精での平均的な実施回数と妊娠率調べ、自分の中で「6回チャレンジする」と決めました。
6回のチャレンジで妊娠出来なかった時は諦めるのか、次の治療のステップに進むのかその時は決めていませんでしたが、私の中で漠然と「6回チャレンジすれば妊娠出来るはずだ」という想いがありました。
人工授精の日を決定するのに、毎朝の検温はもちろんのこと卵子が育つ様子を細かく診るために数日おきにクリニックに行き、超音波検査を受けます。
そして卵子の育ち具合を判断して人工授精の日が決まるのですが、それが「あさって」といった具合に急に決まるのす。
もちろん夫の協力も必要で、人工受精の日は採精があるのですが、治療の進め方はあくまでも母体(卵子)優先。
夫の都合などは申し訳ありませんが後にまわし、決定した人工授精日には必ず夫の精液を確保しなければいけないのです。
(人工授精日にご主人が出張等で不在だったり、当日に精液が確保できないと予測される場合は事前に精液をクリニックに持参し、凍結しておくことも可能です)

夫婦それぞれにかかる身体的・メンタル的負担

人工授精に限らず、体外受精・顕微授精も同様なのですが、処置当日を迎えるまでに夫婦それぞれの準備があります。
妻側は、処置日前後に数回通院し検査を受け、その間にも卵子を育てる注射や投薬の処置を経て当日を迎えます。
そのため、どうしても妻側の身体の負担が大きくなってしまいます。
その他、通院や待ち時間にかかる時間の拘束、お勤めの方ですと会社から何度も休みをもらわないといけないなど、様々な面でストレスがかかります。
このストレスの蓄積が、不妊治療が長引くうちに発生する「夫婦仲の悪化」に繋がってしまうことも事実です。
男性は、妻の身体とメンタルに大きな負担がかかっていることを理解し、しっかりと寄り添ってあげることがとても大切です。
そして、夫側にも「必ず精液を確保しなければいけない」という大きなプレッシャーがあることを十分に理解し、お互いに思いやりを持って治療に臨むことが大切ですね。

不妊治療記録③ 妊娠できない自分に対し女性としての自信をなくす を読む

WRITER

廣田 左希子

廣田 左希子SAKIKO HIROTA

  • 日本実務能力開発協会 認定コーチ
    資格第COY-Ⅰ-221081号
  • 上級心理カウンセラー資格
コーチ紹介