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不妊治療記録⑪ 妊娠、生命誕生の奇跡 人間一人ひとりの尊厳

 2021/05/08
不妊治療

不妊に悩む方の精神的・身体的ストレスはとても大きく、また周囲には相談し難いものです。
女性専門の相談室【CuoRelease】では、不妊にまつわるご相談を多くお受けしております。
ご相談をお受けする私自身も不妊治療経験者であり、お力になれることが必ずございます。
不安なお気持ちをお話しされるだけでも心が楽になり、前向きになれます。
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小さな尊い命

妊娠8週目で「稽留流産」と診断され、子宮に残った胎児を取り出す手術を受けました。
手術後は経過がとても悪く、術後4日間ほどは激痛で動くことも出来ず、自宅で横になって過ごしていました。
自宅で休みながら、私は失ってしまった赤ちゃんを想い涙が止まりませんでした。
出産予定日もわかっていたので、出産までに仕事をここまで進めておこう、と具体的な仕事のスケジュールを組んだり、この月までに赤ちゃんを迎えるための準備物を揃えよう、など希望あふれる未来を思い描き過ごしていました。
そして何より、母になれる幸せを感じていました。
我が子は、どんな人生を歩むのだろうか。どうか、幸せに満ちた人生となりますように。
日々、そう祈っていました。
とても短い妊娠期間でしたが、そんな希望あふれる未来図を描かせてくれた小さな命。
少しの間だけでも、赤ちゃんからのメッセージを受け取り、母になる幸せを経験させてくれた小さな命。
小さな命ですがその尊さはとても大きく深く、私だけでなく夫や両親、兄弟達にも喜びと希望を与えてくれました。

奇跡と奇跡が重なって生まれる生命

全ての人間は、当たり前にいるのではなく奇跡と奇跡が重なって存在していることを、改めて感じています。
自分の隣にいてくれる人が、どれほど尊く尊厳ある存在なのか。
女性は40歳を過ぎると、染色体異常の卵子が7割近くになると言われています。
妊娠10週目以前に起こってしまう流産は、食事や軽い運動など、母体が取った行動などが原因ではなく、染色体異常の卵子が受精卵になると、着床しても発育する前に亡くなってしまいます。
悲しいことですが、そもそも育つことができなかった受精卵と言うことです。
実際に私も40歳を超えてから採卵をし、顕微授精まで試みましたが、10週目以前に2回の流産を経験しています。
「妊娠・出産は少しでも年齢が若い時が良い」確かに正しい意見かもしれません。
人間の老いは止めることが出来ませんし、高年齢の女性の流産発生率が高いことは統計上間違いないものでしょう。
しかし、生命の奇跡とはそれだけではないと、私は思います。
卵子と出逢うことが出来た精子はその後100年生きる人間になりますが、卵子と出逢えなかった精子はわずか3日でその生命を終えてします。
全人類は誰一人として変わりになる人はいない。
一人一人のその命は、とても重たく尊く、そして何よりも美しいものなのです。

絶えない心配事

採卵準備は想像していた以上に大変で、時間厳守の薬や連日の自己注射、そして採卵日当日に体調を崩さないようになど、様々なことに注意しながら過ごしていました。
2回の流産を経験し、特に8週目で失った生命には身を引き裂かれる思いをしましたが、私の中に「我が子にどうしても逢いたい」との想いが強くあり、もう一度採卵に臨むことに決めました。
採卵に向け、一から準備のし直しです。当然、再度費用も発生します。
胚移植をしても、再度流産をしてしまう可能性も当然あります。
しかし、その前に乗り越えなければならない心配事が山のようにあるのです。
・採卵できる卵子が数多く育つか
・採卵した卵子が受精卵になれるか
・受精卵がすぐに壊れてしまわずに、胚移植できるまで育つか
などなど、心配事は次から次に出てきます。採卵準備をしたから、必ず質の良い卵子が育ち、受精卵になれるとは限らないのです。

不妊治療記録⑫ 信じられないスピードで老化する卵子 報われない想い を読む

 WRITER
  • 廣田 左希子
  • 廣田 左希子SAKIKO HIROTA
  • 日本実務能力開発協会 認定コーチ
    資格第COY-Ⅰ-221081号
  • 上級心理カウンセラー資格
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