ネガティブ情報が記憶に残るのは当たり前。身を守るために持ち合わせている心理とは?
- 2024/06/12
- コーチング
あなたは、物事をポジティブに捉えるタイプですか?それとも、ネガティブに捉えるタイプですか?
「ポジティブ思考」「ネガティブ思考」と言う言葉をよく耳にしますが、人は元々どちらか一方の思考を持った状態で生まれてきたわけではありません。ですが実は、人間の潜在的な部分には物事をネガティブに捉えたり、辛い思いをした記憶や失敗したことを強く覚えていておこうとする性質が潜んでいます。
なぜ人はそのような性質を持っているのでしょうか?そして、物事をネガティブに捉える習慣を打破する方法はあるのでしょうか?
幸福な記憶よりも辛かった記憶を残す「ネガティビティバイアス」
人はポジティブな情報よりもネガティブな情報に強く反応し、更に記憶にも残りやすいという性質を持っています。過去の記憶でも、幸福な思い出よりは辛かった思い出の方が鮮明に記憶されているのです。
これは、心理学用語ではネガティビティバイアス(negativity bias)と呼ばれています。
人がなぜネガティビティバイアスのような性質を持ち合わせているかと言いますと、危険やリスクに迅速に対応するために、ネガティブな情報に対して敏感であることが有利だからだと言われています。
この機能は例えば、災害や事故などの身の危険から守る防御としての役割を果たしてきました。
リスクに特別な注意を払い、それらに敏感になり記憶に長く留めておく脳の機能が発達したのです。そのため、自分の身を守るためにも幸せな記憶よりも辛かった記憶の方を鮮明に記憶しておこうとする潜在能力が発動します。
しかし、人間が自然に持ち合わせているネガティビティバイアスを「自分だけの特徴」と捉えてしまった場合、自分はネガティブ思考の人間だと決めつけてしまうのです。
これは、心理学用語ではネガティビティバイアス(negativity bias)と呼ばれています。
人がなぜネガティビティバイアスのような性質を持ち合わせているかと言いますと、危険やリスクに迅速に対応するために、ネガティブな情報に対して敏感であることが有利だからだと言われています。
この機能は例えば、災害や事故などの身の危険から守る防御としての役割を果たしてきました。
リスクに特別な注意を払い、それらに敏感になり記憶に長く留めておく脳の機能が発達したのです。そのため、自分の身を守るためにも幸せな記憶よりも辛かった記憶の方を鮮明に記憶しておこうとする潜在能力が発動します。
しかし、人間が自然に持ち合わせているネガティビティバイアスを「自分だけの特徴」と捉えてしまった場合、自分はネガティブ思考の人間だと決めつけてしまうのです。
バイアス(bias)の特徴とは
バイアス(bias)とは、「偏り」「偏見」「先入観」と言う意味を持っています。この言葉からも分かる通り、ネガティブに偏っているという状態です。
バイアスは大きく次のような特徴を持っています。
1. ネガティブ状況への強い反応
2. 失敗を事実とする記憶の保持
3. 人間関係への影響
4. 社会的影響
バイアスは大きく次のような特徴を持っています。
1. ネガティブ状況への強い反応
2. 失敗を事実とする記憶の保持
3. 人間関係への影響
4. 社会的影響
ネガティブ状況への強い反応
ネガティブな出来事や情報に対して、ポジティブなものよりも強い感情的な反応を示します。悪い状況と良い状況が同時に起こった時、良い状況には注目せず悪い状況の方に意識が向いてしまいます。
そのため、まだ諦める必要がないのに「だめだ、失敗した」「きっとうまくいかない」などと早々に諦めてしまうのです。
そのため、まだ諦める必要がないのに「だめだ、失敗した」「きっとうまくいかない」などと早々に諦めてしまうのです。
失敗を事実とする記憶の保持
ネガティブなこととポジティブなこと、両方を経験した場合、ネガティブな記憶の方を長く、しかも鮮明に覚えています。
物事にチャレンジして成功した、望む成果が出た時などの記憶は一種の思い出のような扱いになり、「ついていた」「まぐれだった」などと捉え、自分事に捉えないようにしてしまいます。
一方で、失敗したり成果が思うように出なかったことをしっかりと記憶しており、失敗した事実として潜在意識の中にしっかりとインストールします。
その後は、何かある度に「失敗した事実」の記憶を取り出し「どうせまた失敗するに違いない」などと決めつけ、自分に制限をかけてしまうのです。
物事にチャレンジして成功した、望む成果が出た時などの記憶は一種の思い出のような扱いになり、「ついていた」「まぐれだった」などと捉え、自分事に捉えないようにしてしまいます。
一方で、失敗したり成果が思うように出なかったことをしっかりと記憶しており、失敗した事実として潜在意識の中にしっかりとインストールします。
その後は、何かある度に「失敗した事実」の記憶を取り出し「どうせまた失敗するに違いない」などと決めつけ、自分に制限をかけてしまうのです。
人間関係への影響
過去のネガティブな記憶や情報は、その後発生する人間関係にも影響を及ぼします。
例えば、過去にAさんから嫌なことを言われたり、嫌がらせを受けたりしたりした経験がある場合、ネガティブな経験としてAさんの容姿や声、雰囲気などを記憶します。
その後、Aさんとは赤の他人であるにも関わらずAさんと似た容姿、声、雰囲気の人に会うと「自分にとって苦手な人だ」とネガティブ記憶が発動し、よく知ろうともせずその人を極度に避けたり「嫌な奴に違いない」など事実ではない偏った見方をしてしまいます。
それにより、貴重な出逢いや縁を逃してしまったり、人間関係に亀裂が生じたりする可能性もあります。
例えば、過去にAさんから嫌なことを言われたり、嫌がらせを受けたりしたりした経験がある場合、ネガティブな経験としてAさんの容姿や声、雰囲気などを記憶します。
その後、Aさんとは赤の他人であるにも関わらずAさんと似た容姿、声、雰囲気の人に会うと「自分にとって苦手な人だ」とネガティブ記憶が発動し、よく知ろうともせずその人を極度に避けたり「嫌な奴に違いない」など事実ではない偏った見方をしてしまいます。
それにより、貴重な出逢いや縁を逃してしまったり、人間関係に亀裂が生じたりする可能性もあります。
社会的影響
人間関係や社会的な場面でも、ネガティブなフィードバックや批判はポジティブなフィードバックよりも強く印象に残ります。
例えば、職場で上司からフィードバックを受ける時、10件のポジティブなコメントがあっても、1件のネガティブなコメントの方が強く印象に残ります。
例えば、「最近のプロジェクトの進行がとても良かった」という評価がたくさんあっても、「ただし、時間管理に少し問題がある」と指摘されると、そのネガティブな部分ばかりを気にしてしまい、自信を失う結果になってしまいます。
その後、新たな仕事にチャレンジできる機会が訪れても、過去のネガティブなコメントばかりを気にして積極的に仕事に取り組めない、などの影響を及ぼしてしまいます。
例えば、職場で上司からフィードバックを受ける時、10件のポジティブなコメントがあっても、1件のネガティブなコメントの方が強く印象に残ります。
例えば、「最近のプロジェクトの進行がとても良かった」という評価がたくさんあっても、「ただし、時間管理に少し問題がある」と指摘されると、そのネガティブな部分ばかりを気にしてしまい、自信を失う結果になってしまいます。
その後、新たな仕事にチャレンジできる機会が訪れても、過去のネガティブなコメントばかりを気にして積極的に仕事に取り組めない、などの影響を及ぼしてしまいます。
あなたにネガティブなことばかり起こっているのではありません
さて、人が自然に持ち合わせているネガティビティバイアスのお話しはいかがでしたでしょうか?
繰り返しになりますが、ネガティビティバイアスは、そもそも自分を様々なリスクや事故などから身を守るために持ち合わせている心理です。
しかし、過去のネガティブな出来事や失敗を経験して自信を失い、その時に感じた心の痛みをしっかりと記憶し、再び自分に痛みを負わせないように発動させることが習慣になっている場合が多く見られます。
そのため、何か物事にチャレンジしようとしたりすると、過去の失敗経験を紐づけて「どうせまた失敗する」などの思考が発動し、行動を取ることにストップをかけてしまうのです。
それにより、自分でポジティブ情報を排除しているにも関わらず自分にはネガティブなことばかりが起こる、と錯覚してしまいます。
繰り返しになりますが、ネガティビティバイアスは、そもそも自分を様々なリスクや事故などから身を守るために持ち合わせている心理です。
しかし、過去のネガティブな出来事や失敗を経験して自信を失い、その時に感じた心の痛みをしっかりと記憶し、再び自分に痛みを負わせないように発動させることが習慣になっている場合が多く見られます。
そのため、何か物事にチャレンジしようとしたりすると、過去の失敗経験を紐づけて「どうせまた失敗する」などの思考が発動し、行動を取ることにストップをかけてしまうのです。
それにより、自分でポジティブ情報を排除しているにも関わらず自分にはネガティブなことばかりが起こる、と錯覚してしまいます。
ネガティブ情報に注目する習慣の断ち切り方
では、ネガティブ情報ばかりに注目してしまう習慣はどう断ち切れば良いのでしょうか?
先ずは、ネガティブ情報が発動した時、そのネガティブ情報を敢えてポジティブ情報に変換させてみてください。初めのうちは無理やりでも構いません。
大切なことは、ひとつの物事はネガティブなことだけではないということに気が付くことです。
ひとつの物事には必ずネガティブ情報と、ポジティブ情報が存在するのだと気づくことがとても大切です。そして、このブログを読まれた後、今からでも日々起こった成功体験をメモに残していくことです。
どんなに小さな成功体験でも漏れなくメモに残してください。これまでご紹介してきた通り、人はポジティブ情報や成功体験は記憶にとどめておくことが苦手です。小さな成功体験は、あっと言う間に記憶から消し去られてしまいます。
記憶から消し去られる前に、事実としてメモに残していき定期的に読み返してみましょう。そして、日々起こる様々な物後と向き合う時、積み重ねてきた成功体験を思い出してください。
先ずは、ネガティブ情報が発動した時、そのネガティブ情報を敢えてポジティブ情報に変換させてみてください。初めのうちは無理やりでも構いません。
大切なことは、ひとつの物事はネガティブなことだけではないということに気が付くことです。
ひとつの物事には必ずネガティブ情報と、ポジティブ情報が存在するのだと気づくことがとても大切です。そして、このブログを読まれた後、今からでも日々起こった成功体験をメモに残していくことです。
どんなに小さな成功体験でも漏れなくメモに残してください。これまでご紹介してきた通り、人はポジティブ情報や成功体験は記憶にとどめておくことが苦手です。小さな成功体験は、あっと言う間に記憶から消し去られてしまいます。
記憶から消し去られる前に、事実としてメモに残していき定期的に読み返してみましょう。そして、日々起こる様々な物後と向き合う時、積み重ねてきた成功体験を思い出してください。
WRITER
-
- 廣田 左希子SAKIKO HIROTA
-
- 日本実務能力開発協会 認定コーチ
資格第COY-Ⅰ-221081号 - 上級心理カウンセラー資格
- 日本実務能力開発協会 認定コーチ
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